ネパール大地震お仕事再生資金、その2:支援方法etc,,,

帽子工場で被災した従業員さん達は仕事に殆ど仕事に復帰しています。
私も日頃お世話になっているお掃除お姉さん。
お掃除お姉さん仕事復帰
震災後のご自宅は崩壊
彼女の家は住める状態ではないので現在は子供の家に避難して工場に通っています。
工場を美しく保つためにお掃除したりお茶を入れるのか彼女のお仕事。
みんなが彼女の笑顔でハッピーになる。そんな彼女が私は大好き。
お掃除お姉さんのお家
私が寝泊まりしている工場の隣の部屋が工場従業員の休憩所なので毎日顔を合わせます。
彼女はタバコを愛する姉さんなので『タバコを愛する姉さん』というニックネームで皆んなに呼ばれています。

朝はお掃除、日中はスタッフへお茶を運んだり午後3時半すぎにはカジャという軽食タイムがあるのでご飯を作ってくれます。

現在、帽子工場に集まっている友人や海外取引先からの支援金は現在1400万円に達する予定です。
これは予想を超えた支援です。

なんで予定なの?って思いますよね。
帽子工場はNGOや支援団体ではなく、まず通常業務を行いながら工場として従業員の月給となる利益を確保しなければならないからです。

工場からも震災直後に日本円で約200万円を緊急支援を捻出し食料品や生活費、日用品購入代を緊急支援とし
被災した従業員家族に配りました。

被害の大きかった地区に住んでいた112世帯の従業員業員が被災し家を失いました。
工場からの緊急支援金の殆ど食料や財産を失った人の日用品購入で工場からの支援金は消えてしまった。
1家族あたりに工場で支援できたお金は1家族に約150ドルくらい
ネパール政府の支援は家が全壊した家庭に、今までに1500ルピー(約150ドル)が支給されたようです。

150ドルというのは、都会のネパール人の平均月収1ヶ月分くらいだそうです。
今のところは家が全壊した帽子工場の従業員を例にだすと、政府から150ドル、工場から150ドルの、合計300ドルの支援をうけた状態です。

震災後2ヶ月分の給料分にあたるお金は確保でき、2ヶ月後から殆どの社員が仕事に復帰できたことから
収入は継続し得られたことになり仕事も確保できた状態になりました。

こんな状況の中で海外から飛んできた取引先スタッフは状況をチェックしてマヘソさんに義援金を託す事を決定したようで義援金が増えています。

帽子工場では皆さまから頂いた義援金はすべて被災した従業員の住宅再建の資金100%使います
A-rueの寄付17万円を加えた日に、一度今まで集まった資金の集計をしました。

日本円で1400万円程になる予定です。これは被災した112戸の従業員家族の住宅再建支援に使われます。
単純に被災者家族数で割っていくと12〜13万円程度の支援額になります

全壊した場所で住居を建て直すのにネパールでどのくらいお金が必要か?
2LDKくらいの平屋のシンプルな家で200万円前後必要といわれています。
これは土地代を除いた額です。

今後政府から噂、もし15万円程度の支援が全壊した家に支払われる事がきまれば、工場の義援金を上乗せすれば
家のローンを組むのに必要な額は揃えられる可能性が高いのです。
すでに皆さん仕事に戻っているので今までと同じ給料が得られる働く場所は守られています。

例として、仮定ですが、もし政府から15万の支給があったとして、工場から15万+さらに義援金が増え分は追加、貯金と友人や親戚からお金を集め、さらに銀行から借りる事ができたら、私は家の再建は可能だと思っています。

政府からの支援はないかもしれないけど、
自力である程度の資金を集め再建に関して見積もりや行動を起こせた従業員から順に義援金の投入をはじめています。
その時まで義援金を預かって判断する事が条件で、この中の多くの義援金が集まっています。
現在2つの家族が家を建て直す目処がたち動き始めたそうです。

なぜ今月からかというと、震災後に3ヶ月は新しい建築基準がきまるまで新たに建物を建ててはいけない。
というルールがあったそうです。
支援金を配るタイミングは寄付者のリクエストで決められています。
工場に通い仕事を続ければ、仮設住宅から一気に家の再建への道は広がります
通常の支援団体では業務を行う必要経費がかかります。

この部分は工場の仕事があるので義援金が減る事はありません。
支援金回収額はすべて従業員のために使えます。支援のプロとは違う方法です。
プロはプロにしかできない支援があると思うし、必要としている地域が沢山あります。

帽子工場では通常の仕事があるので支援関係の業務は営業時外の別業務、無報酬での仕事となります。
社長頑張ってます。私も心配になるくらい疲労している日もある。

義援金に関する質問や、被災従業員との話し合い。支援者への返信メールも営業時間外に毎日数十件こなしている。
どれだけの時間を仕事が終わって費やしているのか見ているとわかります。
みなさんの予想を超える時間を使っていると思います。

大きな取引先では納品額の5-10%を寄付するという方法をとっています。
商品代に寄付金として10%上乗せし決算時に支援寄付という方法です。
これは多くの企業がとっている支援方法だそうです。

これはオーダー品を作る為に、先に立て替えて材料を買い、従業員の給料を確保し、納品し、
回収日に回収できたら義援金に回す事ができるという状況。ある意味支援といっても縛りがあります。
これだけの義援金が集まった背景には、社長の人柄や、経営能力、そして信用が重視されたと思う。

多額の支援先からは食費や、衣料品、日用品には使わず、すべて建築資材を買うように要求される事もあります。
寄付する代わり使用方法の条件の提示もあり、使い方が制限されて悩ましい。

まとめてレンガを買えば安く購入できるからレンガやトタン板はまとめてかってください。
先に支援金を払うと他のコトに使ってしまうから今の時点で払ってはいけない。
住宅の建材だけに使うようにしてください。

多額の支援をしていただいた取引先も寄付してくださった方への報告もしなければならず、
寄付金の使い方には本当に色々と要求があるのです。

支援ってなんだろう?
寄付した人の気持ちと、受ける側の気持ちであったり、欲しい物は、タイミングによると思いますが、
少し違う時期もあると思いました。

現在配布できたのは、持ち家が全壊し、友人や銀行からお金をかりて家を再建するプランが明確に出せた従業員。
建築材料を揃える為に使える段階になった人から支給という方法なのです。
これは大きな額を支援した支援者が決めたルールや希望でもあります。

取引先も支援金を集める為に宣言した事なので状況にかかわらず支援方法を変える事はできません。
こんな理由もあって、家を構築するタイミングで一気に支援という方法になってしまいそうです。
追加支援金はその都度追加支援金としそれぞれに上乗せされます。

方法として現在被災者従業員との話し合いで決まっていることは
持ち家が全壊した人には15万円〜20万円を支給。
持ち家を補修したら住める人には8万〜10万円を支給。
アパートくらして引っ越しして生活を立て直す人には4万〜8万を支給。
さらに増えた分は、追加支援金として配ります。

工場の経営ができているから給料を従業員に払う事が出来て従業員の生活を守る事ができるのです。
これは今後彼らが生きる為に一番大切なシステムは仕事の確保。
支援金の殆どは通常1回で終わってしまう
支援とは何なのか?と私も見ていて考えさせられました。

間に立つ人の負担を考えてあげないと思いやりに欠ける支援になるのかもしれない
こんな事は書くべきではないのかもしれない。

でも多くの義援金を託された人や会社を悩ませている問題でもあると思う。
報告の為の資料を揃える為に多くの時間を費いやしている。
預かり側の立場で被災している方もいると思う。

資料製作や報告の為に被災者が費やす時間や労力を考えると、
その分の時間をバイトして寄付の方がコスパが良いと思える時もあるのです。

支援してもらっているのに何なの?と思う人もいるかもしれません。
帽子工場の社長は一言も弱音を吐いていません。

この文章は外国人であり、工場の中で過ごしている私一人の感情や意見でしかない事を忘れないでほしい。
言葉も考えて選んで書いたり消したり繰り返していて、なかなかアップできなかった。

一番お伝えしたいのは、支援してくださった皆様の気持ちは伝わっています。
この時期の支援は被災者にとって大きな支援なのです。
改めてお礼申しあげます。

お預かりした義援金を目に見える形で表現しにくいのはこんな理由も含まれているからです。
家の再建目標を建て、1つの工場でやるということ、
仕事があるので詳細をマメにアップできないことをご理解いただけると助かります。

まとまった義援金は家のそれぞれの家の再建時に大きな力となると思います。
本日は土曜日で工場がお休みなので、マヘソさんと一緒に被災した従業員の住居エリアを回る予定です。
その3に続く