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◆◆アンチ★ファッション・ヴィクティム◆◆
〜見え始めたエコファッションの潮流〜
ナビゲーター:浅野佳枝   
まれたブランド〜
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私のエレメントは風だ。だから、いつでもどこかに飛び立ちたくてたまらない。しばらくじっと一所に止まっていると、動き出したくなってウズウズしてくる。これは、困ったことに人付き合いや長い食事の席でも同様で、シチュエーションや自分の位 置が変わることで、安心し、気分を一新させていくという具合い。要するに落ち着きがないということなのだが、私は自他共に認める移動好きであり、旅好き人間であるいうことだ。先日、同じような性癖の人物に出会った。ただ、同じ旅好きでも、私と違うのは、その人物は一所に長く滞在し、腰を据えて現地の人々とつき合うことが出来るということだ。  彼女の名前は藤井優子。昨年の9月に自身のブランド、「A-rue.」を立ち上げたばかりの服飾デザイナーだ。彼女と都内の喫茶店で落ち合い、色々な話を聞いた。始めは服飾の話を聞くつもりでいたのだが、いつの間にか内容は旅の話となっていた。だが、それは仕方のないことだ。彼女のブランド「A-rue.」は旅先で構想され、また、その出会いによって構成されているからだ。 「A-rue.のAはあいうえおやABCなどの言葉のはじまりという意味と、私の大好きなアジアという意味があります。rue.はフランス語で、通 りの意味。私が最初にこの企画を考えたのもパリだったので」。  彼女の言葉通 り、ブランドは三年前にそれまで貯めたお金を全部使い果たすつもりで始めたパリでの生活で思いついた。純粋に外の世界を見たいという欲求が、彼女を日本からパリへと旅立たせ、その10ヶ月後にはアジアの国々へと向かわせた。 「パリでは語学学校に通ってたんだけど。10ヶ月後にすごく悩んで、このまま後2ヶ月勉強をして過ごすのだったら、そのお金でアジアを回ろうと思い立って」  と、お金を全部引き出し、インド、タイ、ネパール、ベトナムなどアジア各国を1年近く放浪する。そんなに長い間旅をして、あせりはなかったのか? 「考えながら旅はしてた。考えたけど、答えは見つからなかった。日本に帰ったら自分の居場所や仕事はあるかとか、お金を使い果 たすつもりで行ったから怖かったけど、そればかり考えてたら、何も出来なくなるから(笑)」  1年間の放浪では、実に様々な人間に出会ったという。この旅で得たものは非常に大きかったようだ。 「何かやろうと思うと、自然に人が集まってくるんですよ。こういうカメラマンいないかなとか、コンピューターをやらなきゃと思っていたら、旅先で出会った。こういうのが必要と思ったら、ふーっと現れてくる。本当に周りの人に助けられてます」  彼女は現在、インターネット上でネットショップをメインに展開している。ウェブの制作やネット上に掲載されている写 真も、旅での偶然の出会いがもたらしてくれた素晴らしい宝だ。もちろん、その洋服自体も! A-rue.では、宇都宮の空や原宿のClockwork Marketなど、いくつかの店舗にも商品を卸している。 「私は本当に運だけで生きているって良いくらい運がいい(笑)。宇都宮の空さんにしても、最初の展示会で声をかけて頂いてから、早速お店に置いてもらえるようになって。おかげさまで売り上げを伸ばして頂いてるので、ひと安心しています。次につなげる自信にもなります」  彼女が作っている服のラインは、いわばエスニック。ネパールの民間工場とのフェアトレード商品だということだ。 「最初は申し訳ないですけど、そういう考えはなかった。4年くらい前に放浪してるときに出会った男の子から、独立して工場を作ったという連絡をもらってから、「この人と組もう」と思って始めたことなので。それが、結局向こうの人の生活を支えるという意味でのフェアトレードになるかもしれないですけど。同じ工場を使って、そこで職人さんの技術を育てながら、完成度を上げていきたいっていうのがあるんです。だから、いつもネパールに行って、空いてるミシンがあったら、自分も職人さんと一緒に縫っている(笑)。向こうの人にしたら、『何でボスが俺達と一緒に仕事してるんだ?』って不思議な顔されますけど」  現地の人達と一緒に机を並べ、彼らの仕事ぶりを通して人間性を見る。伝わりにくい部分は、時間をかけてゆっくりと説明をする。よく出来たものには賛辞を惜しまず、失敗を繰り返すものにはその原因となる部分を取り除く作業を繰り返す。こういった彼女のコミュニケーションは、彼らにもっと職人としての誇りを持ってもらいたいとの一心から発している。 「例えば、生地に穴が開いていたとしても、『僕の仕事は縫う仕事だから、穴を見つけるのは僕の仕事じゃない』って言うんですよ。それもそうなんですけど、やっぱりどこまでがオーケーでどこまでがノーかというチェックする目を育てたい。やっぱり感覚が違うから、ひとつひとつ教えないと前に進めない。時間はかかるけど、長い目で見ていきたい。それに、よくやってくれてる職人さんにお礼を言うと、ものすごく頑張ってくれたり。誇りを持って仕事をしてもらえると、こちらも『また来よう』って改めて思いますしね」  彼女との会話で何度も出てきたのが、「待ってるから」という言葉。実際、彼女はネパールで「今度はいつ来るの?」と質問責めにあうほどの人気者。人を寄せ付ける魅力を彼女は持っているのだ。 「私が出来るのはまず、ネパールに仕事を運ぶということ。私を支えてくれる見返りに、その人達にはお金が入って、生活が出来る。私が行くことで1ヶ月は仕事にあぶれなくて済みますから。みんな待ってるから、頑張らなくては(笑)」  現在はまだバイトをしながらの製作活動。だが、彼女は力強く一歩一歩前に進んでいくだろう。大海へとそそぐ川の流れのように、揺るぎない意思と柔軟な行動力で。

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プロフィール  藤井優子

文化服装学院を卒業後、
某アパレル会社に入社。
配属の事業部が1年間で廃止になったことから退社し、その後アクセサリーデザインやパターンの仕事、アンティークショップのアルバイトを経験。

1997年4月よりアルバイトで貯めたお金でパリへ
その後、1998年1月よりアジア各国を1年あまり放浪する。
1998年12月帰国。
1999年5月に自身のブランドをデザインフェスタに初出店。
同年9月よりA-rue.設立。
この春より本格的にスタート!

 

 


 

 

 

 

 


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